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以前からやってみたかった検証記事なのですが・・・
「寄り引けシステムトレードって、サイコロ振って売買シグナル決めても大して収支変わんないんじゃないの??」
について(笑)検証してみたいと思います。
※検証条件:
・2011年7月1日~2021年6月30日までの10年間(2,447営業日)、毎日ランダムに売買シグナルを決め「日中寄りで発注」&「日中引けで決済」する
・利益確定およびロスカットは設定しない
・取引枚数はmini1枚で固定とする
※売買シグナルの決め方:
・1~1,000,000までの範囲で乱数を発生させ、2で割り切れたら(偶数だったら)「買い」、2で割り切れなかったら(奇数だったら)「売り」シグナルとする(両者の出現率は理論上1/2)
(乱数を1~1,000,000と大きな範囲としたのは、買いシグナルと売りシグナルの出現率にバラつきを持たせるためです)
なんだかパチンコの大当たり抽選みたいですね(笑)。
10年分と言ってもこの検証を1回行ったところで、その時の乱数の具合で収支が決まるだけなので、上記の検証をエクセルVBAを使って10万回繰り返してみました(暇ですね~(笑))。
統計学に詳しいわけではないので素人の余興ですが、この検証は・・・
「10万人が10年間適当な売買シグナルで寄り引けシステムトレードを行った結果」
と同じ意味合いと考えています(検討違いだったらごめんなさいm(__)m)。
※過去データに欠損等があった日にはダミーデータを入力しているため、検証結果に多少誤差が生じますのでご了承ください。
また、免責事項もご覧ください。
検証結果を掲載する前に、過去10年全営業日「買い」シグナルだったら・・・逆に全営業日「売り」シグナルだったらどうなるのか検証してみました。
(赤いカッコはマイナスを表します。)
全営業日「買い」シグナルだったら・・・
上記のような結果となりました。
・・・負けてますね。
2020年まではなかなかいい勝負だったのですが、2021年に大きくマイナス収支となっています。
では、逆に全営業日「売り」シグナルだったら・・・
はい(~~)。ほとんどの方はお気づきだったと思いますが(笑)、勝ち負けが逆となります。
常に「買い」、常に「売り」という戦略は先物の場合、長期で日経225先物が上がるか下がるかに左右されるため、まさに長期的ギャンブルとなります(><)。
「経済は長期的には必ず成長し、日経平均株価は上がり続ける」という理論がありますが、これは株式の配当金込みで考えた場合です。
先物取引の場合はポジションを保有していても配当金はもらえないため、例え経済が成長し続けても上がり続ける訳ではありません。
そのため、一見有効そうな「常に買い」という戦略は現実的ではないと思います。
では本題に戻ります(^^)。
10万人(件)の売買収支を全て掲載するのは厳しいので、さしあたり初めの30人(件)のトレード結果を掲載します。
こんな感じになりました(^^)。
1行に1人(件)分の「10年間適当なシグナルで売買した場合の結果」を表示し、No.1~No.100000までのデータを抽出しました。
買件数と売件数は確率上同数になりますが、ここではいい感じにバラつきが出ています。
勝率も概ね50%前後です。
ちなみに寄り値と引け値が同じ場合は「買い」でも「売り」でも引き分けとなるため、引き分け数は45件で常に同じです。
(引き分けが常に45件(1.84%)あるため、「勝ち49.08%・負け49.08%」がちょうど半分となります)
確率論的には収支が±0円に収束しそうですが、さすがに10年間(2,447営業日)程度では収束はしませんね。。
データの偏りか、全体的に勝っているデータが多い印象です。
この中ではNo.8が勝率49.00%にも関わらず+21,985円と一番の良成績です。
逆にNo.6は勝率49.12%と悪くないですが-8,155円と残念な結果です。
そして、意外だったのは常に1枚取引にも関わらず最大ドローダウンが大きかったことです。
30人(件)の中では最小でもNo.3の-2,975円で、最大ドローダウンが一番大きかったのはNo.29の-6,035円です。
この要領で得た10万人(件)のデータから「収支」・「勝率」・「最大ドローダウン」それぞれの上位下位10人(件)を発表したいと思います(^^)。
まずは「収支」部門上位10人(件)です。
第1位はNo.38074のプラス36,125円でした。
TOP10はほぼ全員(全件)が30,000円以上のプラス収支となっています。
mini1枚で300万円、年間30万円のプラスです。
そしてやはり勝率は1人(件)を除き51%を超えています。
次に「収支」部門下位10人(件)です。
第1位はNo.43754のマイナス41,275円でした。
mini1枚で400万超えのマイナスです(TT)
勝率も44.99%と悲しい結果です。
2位が33,445円のマイナスなので1位が少し突出していることが分かります。
続いて「勝率」部門上位10人(件)です。
TOPはNo.47991の53.37%でした。
上位9人(件)が53%を超えていますが、先ほどの「収支」の上位だった3万円超えは1件のみとなりました。
「収支」部門で上位6番目だったNo.87527がここでも7位に入っています。
しかしながらTOP10全員(全件)が1万円以上のプラスを出しており、さすがにマイナス収支のデータはありませんでした。
どんどん行きましょう。「勝率」部門下位10人(件)です。
勝率ワースト1位はNo.67277の44.67%です。
にしては収支がマイナス15,395円とそんなに負けていない印象ですね。
しかし「収支」部門最下位だったNo.43754がここでも4位にいますね。
1年を245営業日とすると適当なシグナルで取引しても年間約110回は勝てる計算です。
最後は「最大ドローダウン」部門です。
上位10人(件)は・・・
TOP10いずれも2,000円台前半のドローダウンとなりました。
うらやましいですね(笑)。
しかしながら10人(件)中7人(件)がトータルマイナス収支となりました。
この検証だけでは何とも言えませんが、最大ドローダウンとトータル収支の相関は小さいのかもしれません。
そして、できれば避けたい・・・
「最大ドローダウン」部門下位10人(件)です。
現実の取引だとしたら、悲惨な結果ですね(驚)。。
一時的とはいえ、mini1枚で100万超えのマイナスです。
しかしながら、システムトレードのロジックを開発するにあたり、最大ドローダウンの目安になるのかもしれません。
このデータは結構有益な気がしています(^^)。
そして、11人(件)中7人(件)がトータルプラス収支と、意外と負けていません。
やはり、最大ドローダウンとトータル収支の相関は小さいのかもしれません。
さて、10万人(件)の収支を分析してみましたが、最後に各数値の平均値を発表します(^^)。
買い件数:1,223.33件 売り件数:1,223.67件
勝ち件数:1,200.93件 負け件数:1,201.07件
収支:マイナス32.37円 勝率:49.08%
最大ドローダウンの平均:マイナス4,716.07円
となりました。
おぉ、収束してますね~。勝率も引き分けを除くとほぼピッタリ50%です。
収支はわずかにマイナスとなりましたが、誤差の範囲な気がします。
最大ドローダウンの平均値はあまり有効性は無いかもしれませんが参考値にはなりそうです。
実際に10万人が10年間取引するイメージでこの検証を行いました(笑)。
この収支データが実際のものだったら、悲喜こもごもいろいろな投資人生があるもんだなと思いました(><)。
そして運がいい人、運が悪い人が存在するんだな~と・・・。
結論
・10年程度の取引では一人ひとりの収支は収束しないが、10万人集まれば確率通りに収束する。
・適当なシグナルで売買を続けると最終的には勝率50%、収支±0円に収束し、結局手数料分の負けとなる。
・適当なシグナルで売買するより、有効性のあるロジックを探してシステムを構築した方が良い。
・やっぱり適当じゃ勝てない(笑)。
この検証結果が、みなさんのシステムトレードの構築に少しでも参考になれば幸いです。
とても長い記事になってしまいましたが、最後まで読んでいただきありがとうございましたm(__)m。